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ブランディングとは

近現代の日本社会は、工業化社会から情報化社会、知識社会へと変貌を遂げています。消費が成熟し、グローバル化が進展する中で、企業は「良いモノをつくる」だけでは生き残れなくなってきています。すなわち、製品やサービスが持つ意味や情報、価値観といったものを、より重要視しなければならなくなってきているのです。そこで注目されるべきは、ブランドの確立(ブランディング)です。企業価値を創造しない企業は市場から淘汰される運命にあります。付加価値を高め、客に選ばれ、売上を伸ばし、利益を創出するための武器として、無形資産であるブランドが必要となってきます。  ブランドの確立は長期的な営みです。なぜなら、ブランドは企業が顧客に働きかけるだけでは成立しえないからです。単に名前やマークを統一し、効果的な宣伝を行うだけでは強いブランドなどは生れません。ブランドは顧客と企業を結ぶ信頼であり、絆なのです。つまり、企業はブランドを通して何を約束するかを明確にします。そして顧客がブランドに対して何を期待しているかを把握し、その期待に応え続けることなくしては、ブランドの確立は不可能です。

強いブランドがもたらす効果

その1.
強いブランドは3つの顧客価値をもたらします。1つめは他のブランドと比べた時の「高い選好性」。これは「同じような価格や機能なら、このブランドを選ぶ」という顧客価値です。2つめは高品質というイメージから来る「プレミアム価格」。これは、「少々高くても、値引きがなくても、このブランドを選ぶ」という顧客価値です。これにより、原価に大差がない場合でも、値引きを抑え、価格競争を回避することができます。3つめは継続購買につながる「ロイヤリティ」。これは「このブランドの製品やサービスをまた買いたい、また使いたい」という顧客価値です。これにより広告費などのマーケティング活動に関わる投資を大幅に節約することができます。このように、強いブランドを持つ企業と顧客との強い絆が、企業に利益をもたらします。このブランディングという営みは、長期的に企業に利益を寄与してくれます。

その2.
ブランドという顧客と企業の強い絆は、企業に高収益をもたらすだけでなく、株主による企業価値評価と従業員の求心力向上へとつながります。ブランディング戦略により、長期的に安定したキャッシュフローを生み、業績が安定することで、投資家からの株価評価が上がります。また、収益が社内に還元されることで、従業員に安定した報酬がもたらされ、ブランドを担う一員として社内の意識向上へとつながります。そして、従業員一人ひとりが生み出す商品力が向上していき、更には顧客価値が向上するという好循環をもたらすのです。

その3.
合併や分社化、カンパニー制、持ち株会社化といった複数の企業が、ブランドを共有するという状況は、大企業のみならず中小企業にも見受けられます。グループ各社はそれぞれが独自の動きをしながら、親会社のイメージ向上とグループへの波及効果を図ってきました。しかし、連結会計導入以降は共有するブランドの強化を通じてグループ全体の価値向上と一体感を生み出していかなければなりません。顧客から見れば同じブランドを担う存在であるということに変わりはありません。ブランド戦略はグループ経営の求心力へとつながっていきます。